けあポートの事業では、介護者や認知症のご本人、高齢者のお話を聴く機会が多く、今回は活動の原点に立ち返って「お話を聴くこと」の意味や役割、その大切さについて改めて考えてみることにしました。
その上で、長く相談事業を続けていくためには、自分自身を、また仲間同士でもケアし合うことが必要とのことから、支援する立場としてどのようにメンタルケアをしていけば良いかを学び、情報交換する機会としました。
会員さん、ボランティア、スタッフ、理事など27名の方が参加されました。
第1部:講演
国際医療福祉大学心理学科准教授で、けあポート理事でもある小野寺敦志先生に「ケアする人のメンタルケア」というタイトルで基調講演をお願いしました。
地域活動の場としてけあポートが開くカフェは、思いを受けとめる場所であり、ほっとできる場所であることが大切。来場される方も多様なので、そのお話を聴くには心身の体力がいること。ストレスには引き起こす原因とその反応があり、活動を続けるには「ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解をし、ストレスに気づき、対処法を身につけることが大切」とのお話でした。
第2部:グループワーク「ワールドカフェ」※
※カフェにいるようなリラックスした雰囲気で行うということから名づけられたグループワークの手法。
少人数のグループで設定されたテーマについて話し合い、グループのメンバーを変えて話し合いを繰り返す。
発言内容や思いついたことをテーブルに広げた模造紙に自由に書く。
4~5人のグループに分かれてカフェマスターの案内で「ワールドカフェ」の体験をしました。
テーマは、
①人の話を聴いてモヤモヤしたり、どうしたら良いかと思ったことはありますか
②そのモヤモヤをどうやって解消していますか
の2点で、皆さん、自由に話し、模造紙に書き込み、途中で席替えもし、という体験でした。短い時間でしたが、現場や個々の体験から様々な声が聴かれました。
話を聴くにあたっては、価値観が違う、わかってもらえないなどのストレスを感じることもあるようですが、それぞれに対処法を持っており、実践していることがわかりました。
仲間から情報をもらうことも大きな学びや発見にもなるようでした。
初めての研修会を企画するにあたり、内容を検討し実行するプロジェクトチームをつくって臨みました。当日は多くの方に参加していただき、思いを話し情報交換し、つながりづくりの機会となりました。
時間配分が不十分で、話しきれない、伝えきれない、未消化なところもありましたが、次回への検討課題となりました。
次回も楽しみながら学ぶ企画を、皆さまと一緒に考えたいと思います。
上段・左:小野寺先生の講演 右:ワールドカフェの説明
下段・左:グループで話し合い 右:オンライン参加者の話を聞く
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